数年前の出来事です

夕方未だ明るい頃　散歩からの帰り道　三叉路の交差点を
曲がり切った歩道で
一人の細目の若者が　大型のバイクの側に座り込んでいました

服装は　簡単な白地のTシャツとGパン姿だったかな？
頭を下げて背中を丸め　傍目には凄く辛そうに見えます

一旦傍を通り過ぎてから　やはり気になり引き返しました

「どうしましたか？」
声を掛けても　振り向きもせずに頭を横に振るだけ

「どっか痛い所があるの？　それとも事故に遭ったの？」
何を聞いても　うつむいたままで苦しそうで顔を上げません

声も出せない位　辛そうなのかと思い
思わず警察に連絡を入れました
すると　近くの所轄から二人の警官が駆け付けてくれました

「何があったのか辛そうで　動けないようです」
私が説明すると　替わって若者に話しかけてくれました

「どうしたの？　事故ですか？」
「どっか痛いところありますか？　エッ！　なに～　
　おなかが空いて動けないの　財布は持ってないの？」

「所でこのバイク　君の？？？　ヘルメットは？
　免許証は？」
矢継ぎ早に質問されている様子を見てて　ヤバ！・・・

ただの空腹で動けなかったようです
お節介で警察官を呼んだせいで　ノーヘルでバイクを運転して
たのがばれてしまった！


御免なさいね～　
携帯だけで私も財布は持ってなかったのよ
もし持ってたら　コンビニで簡単な物位買ってあげたのにね

後は警官らにお任せで　そそくさとその場を離れました
彼の引っ立てられる姿を見たく無かったから

あ～ぁ　余計な事をしてしまった　
　【あの時は　ゴメンナサイ】


左から時計回りに　ヒメツルソバ　ドウダンツツジ・
　　　　　　マルバルコウソウと野生のミント・紅葉の蔦