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カキっ放し!!

 錦糸町マルイ教室  柳 秀三 さん

2201 スルメな物語

 2021年08月07日 18:24
読んで心地いの良い文章、ずっと長く続く物語。

若い頃はそんな物語が好きだったけれど、好みは変わる。

いまは、長編じゃなくてもいい。

次から次へとページを繰りたくなるような、上手い文章じゃなくていい。

いま俺が好きなのは、谷甲州の航空宇宙軍史シリーズである。

名のとおり宇宙を舞台とした軍事物である。

SF というカテゴリになるのだろうけれど、超光速の艦船やワープ航法などは出てこないし、舞台は太陽系内に限られる。

卓越した能力を持つヒーローの存在もない。



2099年、核融合の燃料である重水素をそのほとんどが外惑星の供給に頼っていた。

木星の衛星カリスト・ガニメデ、土星の衛星イオから射出された重水素を積んだ無人のタンカー群が、全長10億キロに達する軌道を列をなして進み、2年以上かかって地球周辺宙域に届けられる、という舞台設定である。

現在、中東で採掘される重油をタンカーが運び、その重油の利権を巡って、国と国との争いが起きる。

それと同じような構図が宇宙でも起きて、外惑星動乱という大きなうねりを中心に、その渦中に放り込まれた人々を描いている。

その舞台も、出てくる物語も、とてもリアリティがある。

物語の視点が多く、心を動かされる部分が、一様ではない。

ガンダムも波動砲も出てこない。

楽しい物語でもない。

まあ、ぶっちゃけ読みやすい文章でもない。

物語について行こうとすると、じんわり分かってくる、ひとつ理解すると次も理解できてきて、そこがまた面白い。

11の書籍、45の物語にまたがる長・中・短編の連作シリーズである。

知ってから、本当に読もうかと思うまでに数年かかった。

11の書籍のうち、1冊を読んで、スラスラ読めないので、時間が空き、また最初から読み直す。

そんなことの繰り返しで同じ物語を何度も読む。

読みやすくないので、前回読んだのをよく覚えていない。

だから、また新鮮に読めたりする。

少しずつ理解できて、全体を俯瞰することを少しずつではあるができるようになる。

著者のライフワークかも知れないが、読むほうもライフワークになりそうな物語。

読めば読むほど味が出てくるスルメのような物語。

柳 秀三
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