錦糸町マルイ教室
柳 秀三 さん
1802 物語を読む
2020年12月08日 22:36



20年ぐらい前、渋谷の「童話屋」という童話専門店で、小学生のときに読んだ童話 2冊を、取り寄せてもらって、買った。
「水の上のタケル」古田足日/作 田畑精一/絵 偕成社
「まちがいカレンダー」古田足日/文 田畑精一/絵 国土社
「童話屋」に通ったということではなく、たった2回寄っただけで、店名も覚えていない。
購入したものの、手に入れただけで満足してしまい、2冊とも読んでいなかった。
5日、この 2冊のことをブログに書くので本棚から引っ張り出した。
「童話屋」のしおりが挟まっていた。
「童話屋」は、同じところになく、いまは杉並区成田西にあるらしい。
読んでみようという気になった。
まず「まちがいカレンダー」を読み、今日、読了した。
思ったよりつまらなかった。
底の浅い感じがした。
さて、もう 1冊、「水の上のタケル」である。
作・画、ともに「まちがいカレンダー」と同じなのだ。
もくじの前にプロローグらしき 1ページがある。
物語は始まっていないのに 1ページある。
その全文が以下である。
ある日、ぼくは、野原を歩いていた。野原のまんなかには、ドブ川がながれていた。そのむこうに、マツのきのはえた塚があり、マツの木の下に、もも色の大きなイヌタデの花がさいていた。
ぼくは、イヌタデのそばにすわった。ドブくさい風がふいて、イヌタデのこまかい花粉がちり、イヌタデは、ぼくになにかはなしているようだった。
ひと月たって、ぼくは、また野原にいってみた。もう、野原はなかった。ダンプカーと、ブルドーザーと、パワーショベルがうごいていて、野原は赤土でうずまっていた。もうすぐ、家がたちはじめるのだ。
もちろん、マツの木も、イヌタデも、なくなっていた。
だが、そのとき、ぼくは、イヌタデが、ぼくにはなしかけた物語を、おもいだしはじめた・・・。
「あ、いいじゃん、いい感じじゃん」
主人公の少年のモノローグなのだろうか、それとも語り手なのだろうか。
淋し気な、乾いた風景が浮かぶ。
風が吹き抜けていく。
惹きつけられた。
さ、物語が始まる。
俺は、物語が好きなのだ。
柳 秀三
「水の上のタケル」古田足日/作 田畑精一/絵 偕成社
「まちがいカレンダー」古田足日/文 田畑精一/絵 国土社
「童話屋」に通ったということではなく、たった2回寄っただけで、店名も覚えていない。
購入したものの、手に入れただけで満足してしまい、2冊とも読んでいなかった。
5日、この 2冊のことをブログに書くので本棚から引っ張り出した。
「童話屋」のしおりが挟まっていた。
「童話屋」は、同じところになく、いまは杉並区成田西にあるらしい。
読んでみようという気になった。
まず「まちがいカレンダー」を読み、今日、読了した。
思ったよりつまらなかった。
底の浅い感じがした。
さて、もう 1冊、「水の上のタケル」である。
作・画、ともに「まちがいカレンダー」と同じなのだ。
もくじの前にプロローグらしき 1ページがある。
物語は始まっていないのに 1ページある。
その全文が以下である。
ある日、ぼくは、野原を歩いていた。野原のまんなかには、ドブ川がながれていた。そのむこうに、マツのきのはえた塚があり、マツの木の下に、もも色の大きなイヌタデの花がさいていた。
ぼくは、イヌタデのそばにすわった。ドブくさい風がふいて、イヌタデのこまかい花粉がちり、イヌタデは、ぼくになにかはなしているようだった。
ひと月たって、ぼくは、また野原にいってみた。もう、野原はなかった。ダンプカーと、ブルドーザーと、パワーショベルがうごいていて、野原は赤土でうずまっていた。もうすぐ、家がたちはじめるのだ。
もちろん、マツの木も、イヌタデも、なくなっていた。
だが、そのとき、ぼくは、イヌタデが、ぼくにはなしかけた物語を、おもいだしはじめた・・・。
「あ、いいじゃん、いい感じじゃん」
主人公の少年のモノローグなのだろうか、それとも語り手なのだろうか。
淋し気な、乾いた風景が浮かぶ。
風が吹き抜けていく。
惹きつけられた。
さ、物語が始まる。
俺は、物語が好きなのだ。
柳 秀三
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