錦糸町マルイ教室
柳 秀三 さん
1361 次のウィルス④
2020年04月11日 16:55

■全国一律の対応は、バランスを欠いたやり方だ
もう一つ、高橋氏が「同意できる」というのは、国や社会の反応が過剰ではないかということだ。
中国はもとより、感染拡大が続く欧州諸国や米国では法律に基づく都市封鎖が行われ、日本でも政府の要請による一斉休校や大規模イベントなどの自粛が全国的に広がっている。こうした社会の「過剰反応」をもたらしたのは何なのか。
高橋氏によれば、それは「リスクに対する考え方」。
「私たち医療者は病気と医療行為に関して、常にリスクとベネフィットについてそれぞれどのぐらいの大きさ(縦軸)のものがどのぐらいの頻度(横軸)であるかをマトリクス図のようにして考える習慣が身についています。新型コロナでいえば、これまでは、若い世代に限れば重症化するリスクは低かったし、インフルエンザに比べると感染力も弱かった。それに対して都市封鎖など副作用の強い強烈な措置や全国一律の対応をとるのは、バランスを欠いたやり方です。一方で、欧米のように指数関数的に増加する気配が見られる地域ならば検査も必要だし、都市封鎖の弊害よりも人命のリスクが大きく、踏み切るほうがいい。医療者なら共有しているそうした考え方を一般にも広めようという努力が、私たちに足りなかったのかもしれません」
高橋 政代(たかはし・まさよ)
医師・医学博士。1986年、京都大学医学部卒業。92年、同大学院博士課程(視覚病態学)修了。同付属病院助教授、理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクト・プロジェクトリーダーなどを経て、2019年からビジョンケア代表取締役。他に京都大学iPS細胞研究所アドバイザーなど多数の役職を兼ねる。
もう一つ、高橋氏が「同意できる」というのは、国や社会の反応が過剰ではないかということだ。
中国はもとより、感染拡大が続く欧州諸国や米国では法律に基づく都市封鎖が行われ、日本でも政府の要請による一斉休校や大規模イベントなどの自粛が全国的に広がっている。こうした社会の「過剰反応」をもたらしたのは何なのか。
高橋氏によれば、それは「リスクに対する考え方」。
「私たち医療者は病気と医療行為に関して、常にリスクとベネフィットについてそれぞれどのぐらいの大きさ(縦軸)のものがどのぐらいの頻度(横軸)であるかをマトリクス図のようにして考える習慣が身についています。新型コロナでいえば、これまでは、若い世代に限れば重症化するリスクは低かったし、インフルエンザに比べると感染力も弱かった。それに対して都市封鎖など副作用の強い強烈な措置や全国一律の対応をとるのは、バランスを欠いたやり方です。一方で、欧米のように指数関数的に増加する気配が見られる地域ならば検査も必要だし、都市封鎖の弊害よりも人命のリスクが大きく、踏み切るほうがいい。医療者なら共有しているそうした考え方を一般にも広めようという努力が、私たちに足りなかったのかもしれません」
高橋 政代(たかはし・まさよ)
医師・医学博士。1986年、京都大学医学部卒業。92年、同大学院博士課程(視覚病態学)修了。同付属病院助教授、理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクト・プロジェクトリーダーなどを経て、2019年からビジョンケア代表取締役。他に京都大学iPS細胞研究所アドバイザーなど多数の役職を兼ねる。
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