錦糸町マルイ教室
柳 秀三 さん
1126 伴侶を失う
2019年10月25日 17:36

伯母は、2015年3月に長年連れ添った夫を亡くしている。
二人の間に子は無く、ずっと二人きりで暮らしてきた。
ひとりになった伯母は、一番近い親戚である我が家に頼ることもなく、夫が亡くなった後のいろいろな整理をしていた。
株とか証券をやっているのを知っていたので、伯父の葬儀を仕切った後は俺もあえて口出しはしなかった。
しかし、同年7月のある夜、伯母は自分で救急車を呼び、入院した。
その日の夕方に伯母本人からの SOS を受けて俺が家に行ったときは大丈夫だと言ったにもかかわらずである。
二週間入院したが、伯母に治療すべき疾患は無いのである。
そうなると、病院は退院を要求してくる。
俺は伯母に訊いた。
「病院を退院して、自宅で一人で生活できる?」
伯母はできないと答えた。
あの家には戻りたくないとも答えた。
伯母の家から直線距離で 100m も離れていないところに、綺麗な老人ホームができていた。
一階のロビーめいたところで、コーヒーを飲んでいる高齢者が見える。
まるで、ホテルみたいだ。
ここが伯母の終の棲家に違いない。
俺はこの老人ホームを訪ない、伯母の入居を決めた。
いきなり違う環境に放り込まれると認知症を発症するかもしれない、ここなら自宅から近いし、よく買い物をしていたコンビニとの中間にある。
元気なって、スタッフに付き添われてコンビニに買い物に行く伯母の姿が目に浮かぶ。
しかし、ここは豪華できれいに違いないが、リハビリ施設がいっさい無いのである。
その点、ケアマネージャーに、他の施設に送り迎えでリハビリを頼むことは可能だろうかと訊いた。
うちで介護保険を使うと他の機関では使えません、と答えをもらった。
いまにして思えば、伯母には金があるので、介護保険を使わずとも、リハビリ施設に通わせればよかった。
伯母は会いに行くたびに、自分で体を動かさなくなっていった。
そして、今年の1月、クリニックに入院となった。
夫を亡くしたときに、伯母は「ウツ」になっていたんだろうと思う。
認知症の夫を亡くし、伯母は楽になったのではなく、唯一無二の伴侶を、生きる力をも失ったのである。
柳 秀三
二人の間に子は無く、ずっと二人きりで暮らしてきた。
ひとりになった伯母は、一番近い親戚である我が家に頼ることもなく、夫が亡くなった後のいろいろな整理をしていた。
株とか証券をやっているのを知っていたので、伯父の葬儀を仕切った後は俺もあえて口出しはしなかった。
しかし、同年7月のある夜、伯母は自分で救急車を呼び、入院した。
その日の夕方に伯母本人からの SOS を受けて俺が家に行ったときは大丈夫だと言ったにもかかわらずである。
二週間入院したが、伯母に治療すべき疾患は無いのである。
そうなると、病院は退院を要求してくる。
俺は伯母に訊いた。
「病院を退院して、自宅で一人で生活できる?」
伯母はできないと答えた。
あの家には戻りたくないとも答えた。
伯母の家から直線距離で 100m も離れていないところに、綺麗な老人ホームができていた。
一階のロビーめいたところで、コーヒーを飲んでいる高齢者が見える。
まるで、ホテルみたいだ。
ここが伯母の終の棲家に違いない。
俺はこの老人ホームを訪ない、伯母の入居を決めた。
いきなり違う環境に放り込まれると認知症を発症するかもしれない、ここなら自宅から近いし、よく買い物をしていたコンビニとの中間にある。
元気なって、スタッフに付き添われてコンビニに買い物に行く伯母の姿が目に浮かぶ。
しかし、ここは豪華できれいに違いないが、リハビリ施設がいっさい無いのである。
その点、ケアマネージャーに、他の施設に送り迎えでリハビリを頼むことは可能だろうかと訊いた。
うちで介護保険を使うと他の機関では使えません、と答えをもらった。
いまにして思えば、伯母には金があるので、介護保険を使わずとも、リハビリ施設に通わせればよかった。
伯母は会いに行くたびに、自分で体を動かさなくなっていった。
そして、今年の1月、クリニックに入院となった。
夫を亡くしたときに、伯母は「ウツ」になっていたんだろうと思う。
認知症の夫を亡くし、伯母は楽になったのではなく、唯一無二の伴侶を、生きる力をも失ったのである。
柳 秀三
すみれさん
すみれさんのブログで、シェンナーが飲食を拒否していたことを読んで、人間もそうなんだなーって思いました。
それがまさに伯母が入院しているときだったので、そして、点滴を着けた後だったので、よけいに突き刺さりました。
伯母を、自分の部屋で逝かせてあげたかったです。
今日、伯母の通夜です。
台風が来るので延ばしました。
会葬に来るのは、伯母の妹である俺の母と、甥っ子・姪っ子だけです。
ホールもお坊様も、4年前の伯父の葬儀と一緒です。
俺は神仏を信じていませんが、もし伯母が葬儀を見ていてくれるなら、集まったみんなを見て喜んでくれることでしょう。
柳 秀三
すみれさんのブログで、シェンナーが飲食を拒否していたことを読んで、人間もそうなんだなーって思いました。
それがまさに伯母が入院しているときだったので、そして、点滴を着けた後だったので、よけいに突き刺さりました。
伯母を、自分の部屋で逝かせてあげたかったです。
今日、伯母の通夜です。
台風が来るので延ばしました。
会葬に来るのは、伯母の妹である俺の母と、甥っ子・姪っ子だけです。
ホールもお坊様も、4年前の伯父の葬儀と一緒です。
俺は神仏を信じていませんが、もし伯母が葬儀を見ていてくれるなら、集まったみんなを見て喜んでくれることでしょう。
柳 秀三
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