錦糸町マルイ教室
柳 秀三 さん
1124 嘘をついた
2019年10月24日 23:43

昨年暮れに、老人ホームに入居している90歳の伯母が、インフルエンザにかかった。
抗生剤の投与でインフルエンザは治ったものの、食欲が落ちてしまい飲食が難しくなった。
ホームドクターの勧めで、そのドクターとは別のクリニックに入院した。
病室で点滴に繋がれ、力なく寝ているだけの伯母。
老人ホームとは違い、暗い陰鬱な感じの病室。
でも、点滴をして、そのうち口からの食事ができれば体力も回復し、退院できて老人ホームに戻れると思っていた。
しかし、ゼリー状の食事さえも受け付けない。
「点滴だけで一年でも二年でも生きられます」
院長はそう言うが、そういうことではない。
ダメだ、入院させておくわけにはいかない。
生きていればいいというものではない、老人ホームに戻そう。
しかし、点滴が必要な伯母は老人ホームに戻れない。
点滴は医療行為である、医療従事者が24時間いないホームでは点滴はできない。
胃ろうを作ってしまえば、そのあとは医療行為ではないので、ホームに戻れるが、90歳の伯母の体にメスを入れるのはどうかと思った。
老人ホームに相談すると「お看取りします」と言っていただいたが、なんだよもう遅いよ、その言葉は入院する前に欲しかった。
入院の勧めがあったとき、俺は電話だけで了承した。
あの時に、俺がホームに行って、いろんな方法があることを提案してもらって、入院はせずにホームで療養することを選んでいたらなと思う。
でも、もう遅い。
退院するには院長の許可がいる。
点滴外したら亡くなるのがわかっているのに、退院を許可するはずがない。
伯母はもうクリニックの病室を出られない。
10月19日夜、クリニックの看護師から電話があり、容態が急変したので来てくださいと言う。
クリニックに行くと、21時50分に亡くなったと院長から言われた。
亡くなったということよりも、なぜ、老人ホームの伯母の部屋で静かに最期を迎えさせてやれなかったかな、との後悔が強い。
「おばちゃん、ここがおばちゃんの終の棲家だよ、いいとこだよね」
ホームに入居するとき、俺が、そう言ったのに。
俺は、伯母に嘘をついてしまった。
柳 秀三
抗生剤の投与でインフルエンザは治ったものの、食欲が落ちてしまい飲食が難しくなった。
ホームドクターの勧めで、そのドクターとは別のクリニックに入院した。
病室で点滴に繋がれ、力なく寝ているだけの伯母。
老人ホームとは違い、暗い陰鬱な感じの病室。
でも、点滴をして、そのうち口からの食事ができれば体力も回復し、退院できて老人ホームに戻れると思っていた。
しかし、ゼリー状の食事さえも受け付けない。
「点滴だけで一年でも二年でも生きられます」
院長はそう言うが、そういうことではない。
ダメだ、入院させておくわけにはいかない。
生きていればいいというものではない、老人ホームに戻そう。
しかし、点滴が必要な伯母は老人ホームに戻れない。
点滴は医療行為である、医療従事者が24時間いないホームでは点滴はできない。
胃ろうを作ってしまえば、そのあとは医療行為ではないので、ホームに戻れるが、90歳の伯母の体にメスを入れるのはどうかと思った。
老人ホームに相談すると「お看取りします」と言っていただいたが、なんだよもう遅いよ、その言葉は入院する前に欲しかった。
入院の勧めがあったとき、俺は電話だけで了承した。
あの時に、俺がホームに行って、いろんな方法があることを提案してもらって、入院はせずにホームで療養することを選んでいたらなと思う。
でも、もう遅い。
退院するには院長の許可がいる。
点滴外したら亡くなるのがわかっているのに、退院を許可するはずがない。
伯母はもうクリニックの病室を出られない。
10月19日夜、クリニックの看護師から電話があり、容態が急変したので来てくださいと言う。
クリニックに行くと、21時50分に亡くなったと院長から言われた。
亡くなったということよりも、なぜ、老人ホームの伯母の部屋で静かに最期を迎えさせてやれなかったかな、との後悔が強い。
「おばちゃん、ここがおばちゃんの終の棲家だよ、いいとこだよね」
ホームに入居するとき、俺が、そう言ったのに。
俺は、伯母に嘘をついてしまった。
柳 秀三
すみれさん
ありがとうございます。
後悔をしても仕方ないことはわかっているんです。
でも、俺が伯母を全力でみてあげてないことを、俺が自分自身、知っているんです。
俺は、伯母と家族だったことは無いです。
無理だよ、俺は家族じゃないよ!
でも、伯母が頼れるのは俺しかいなかったんです。
後悔しても仕方ないけど、後悔はしてしまいます。
柳 秀三
ありがとうございます。
後悔をしても仕方ないことはわかっているんです。
でも、俺が伯母を全力でみてあげてないことを、俺が自分自身、知っているんです。
俺は、伯母と家族だったことは無いです。
無理だよ、俺は家族じゃないよ!
でも、伯母が頼れるのは俺しかいなかったんです。
後悔しても仕方ないけど、後悔はしてしまいます。
柳 秀三
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