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カキっ放し!!

 錦糸町マルイ教室  柳 秀三 さん

0858 高浜五郎⑧

 2019年05月26日 02:18
 高浜五郎が倒れたときに119をコールしてくれた合同陸運の宮川が交通事故で亡くなった。未明の通勤途中、会社の車庫に向かうため単車で国道を走行していて、道路にフラフラ出てきた酔っ払い女を避けて転倒して病院に搬送されたが、もう内臓がダメだった。治療の甲斐なく亡くなった。歳は五郎の二個上だった。五郎が救急搬送されたあと、電話で礼を言ったまま、ついに会うこともなかった。

 葬儀に参列した。酒と女が好きでろくろく家に帰らなかった男に、女房子供がいたということに不思議な感じがした。

そして、長く糖尿病を患っていた関内運送の責任者、藤木が亡くなった。

  四十を過ぎて経験も無しにトレーラードライバーとして求人に応募してきた五郎を採用し、運転と荷の扱い方を教えたのは藤木だった。五郎は他社も受けていたが、面接のときの藤木のオヤジ然とした風貌を気に入り、関内運送に決めたのだった。

 だが、藤木は五郎の求めていた人間ではなかった。五郎は上に立つものに忠実だ。どんなに頑固で無口でもいい、だが、部下を守る岩のような存在でいて欲しかった。しかし、藤木はそうではなかった。女の腐ったようなやつ、と五郎は思った。藤木を陰で「ばかおやじ」と呼ぶようになった。

 その藤木が亡くなった。もと同僚たちと藤木の葬儀に参列した。

 葬儀の場で、工場長ともすれ違った。五郎は工場長に声を掛けられた。

 五郎はまっ正面から工場長の目を見て応えた。

『ご無沙汰しております』

 それだけ答えてあとは知らん顔をした。もうまるで関係ない人間である。「ばかおやじ」には良くも悪くもいくつもの思いがある。この「クソ工場長」には何もない、知らない人間だ。

 でも、ただ・・・。

 不自由な左側を、コイツにだけは見られたくないと、高浜五郎は思った。

柳 秀三 
コメント
 1 件
 2019年05月27日 09:28  錦糸町マルイ教室  柳 秀三 さん
すみれさん

申し訳ないですが、「0850 洗濯機の槽洗浄」のコメント欄でレスポンス(お返事)します。

柳 秀三
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