パソコン市民講座 プレミア倶楽部
パソコン市民講座 プレミア倶楽部  会員専用「プレミアブログ」
  •  「プレミア倶楽部」会員の一般公開ブログです。
  • 会員の方はログインしてください。
    • 3506 カキっ放し!!
    • 3505 note(ノート)⑦
    • 3504 表示されない
    • 3503 note(ノート)⑥
    • 3502 へぇ~、そう
    • 「あけちゃん」さん より
    • 「あけちゃん」さん より
    • 「あけちゃん」さん より
    • 「あけちゃん」さん より
    • 「あけちゃん」さん より

カキっ放し!!

 錦糸町マルイ教室  柳 秀三 さん

0327 頑張りすぎるなよ

 2018年09月01日 14:32
先日、老人ホームに入居した伯母の話をアップしたが、10年前、その伯母が脳出血で救急搬送されたことがあった。

伯父とふたりで出かける途中、駅で倒れたのだ。

伯父はその時もうすでに認知症を患っていた。

受け答えはまともだから、救急隊員も病院もそれと気づかない。

たぶん伯父はタクシーで病院から家に帰ってきたのだろう。

しかし、なんで伯母が家にいないのかわからない。

翌日、わが家に電話してきた。

俺が消防署に教えてもらい、当該病院に行った。

伯母が入院している間、伯母よりも伯父の面倒をどう診るかが最大の問題である。

結局、俺が仕事終わりに、車で高速を使って一時間の伯父の家に、様子を見に行くことにした。

伯父は偏食気味で、毎日吉野家で牛丼を買っていった。

行くと早々に「お、秀三か、よく来たな、でも、〇〇子がいないんだ、どうしたんだろう」と伯母がいないことを心配そうに訴える。

「おじちゃん、おばちゃんは脳出血で救急搬送されて病院に入院してるよ」

「え、そうなのか、それで〇〇子は大丈夫なのか」

「うん、そのうち退院できるよ」

「そうかあ、なんかいないからな、どうしたんだろうと思っていたんだよ、入院したのかあ」

「うん、だから、おばちゃん退院するまで頑張ろうね、牛丼食べなよ」

「俺、頑張るよ、ところでなあ、〇〇子がいないんだよ、どうしたんだろう」

これがひたすら繰り返される。

そして、それは伯母が退院するまで一か月続いた。

あるとき携帯電話に十個上の従兄から電話がかかってきた。

「おじちゃんの面倒見てるんだってな、ありがとうな」

「夕方、ご飯持って話してくるだけだから」

現状を詳しく話すと、従兄は言った。

「頑張りすぎるなよ、お前がどうにかなったらダメだからな」

この言葉に救われた。

たった一言ではあるが、嬉しかった、ありがたかった。

それ以来、伯父に伯母の行方を聞かれたら、もうすぐ戻ってくるよと嘘をつくことにした。

伯母の入院という事実を知るたびに、伯父は心を痛める。

すぐ忘れるのだから、なにも事実を突きつける必要はない。

「よりそう」と言う言葉は良いが、一緒に倒れたらダメである。

柳 秀三
コメント
 0 件
コメントがありません。
利用規約 プライバシーポリシー 運営会社情報 © 2010 - 2025 パソコン市民講座