錦糸町マルイ教室
柳 秀三 さん
0050 電話
2018年04月23日 09:30
今朝、さきほど、ここコメダ珈琲でコーヒーを飲んでいると、俺の携帯電話が鳴った。
サブディスプレイを見ると、前の仕事の運送屋の同僚のトラックドライバーだった。いまでもたまにではあるが、飲みに行く友達だ。
開店して間もない時間だからか客は俺一人なので構わない、そのまま席で携帯電話を開いた。
「なーにやってんだよ、コメダで。フォーン鳴らしたけど、わかんないと思って電話してやったんだぞ~」
「よくわかったね、車見たの?」
「おー、そんでわかった。ちゃんとタイヤはきかえてるじゃん、えらいえらい」
「そこまで見たかっ!」
「見たよ、すげーだろ、俺」
駐車場に停めた俺のトヨタスペイドを見てわかったらしい。
彼がコメダを覗いたのは以前ここがオープンする前に「コメダができるね」と二人で話していたからだ。
車いじりが好きではない俺が、夏冬の履き替えをちゃんとやっているか反射的に見たのだ。もし冬タイヤのままなら何言われるかわかったものではない。電話の第一声は「まだ冬タイヤかよ!」だったろう。
会社では俺の方が先だったが、歳が10コ上で、ドライバーとしてのキャリアも俺より上の、もと同僚だ。
慕ってくる者には面倒見のいい、おせっかいとも言えるほど世話好きなおじさん。細かいキチっとしたこと、理屈っぽいことが好きじゃなく、逆に俺は細かいことをするのが好きで理屈が好き、自分のしたいことをするワガママ。
見ている方向が正反対なのに、なんだか合う。面と向かってはとても恥ずかしくて言えないが、俺は好きである。
たぶんお互いに「こいつ嫌だな~」と思うところはたっくさんあるはず。だが、俺は彼の人懐っこいところが他のすべてを帳消しにしてしまえるほど好きである。
俺が自己都合でその運送会社を辞めて、この8月で丸3年。
「最近、俺らも『ふる里』に全然行ってなくてな~」
お前抜きでは飲みには行ってないぜ~ということだ。俺に気遣っている。それがわかるから、ちょっと辛い。
「また連絡するよ」
「ん~、どうもありがとう、じゃ~」
電話を切った。
さて・・・ 俺はどっちを向いて進もう。
柳 秀三
サブディスプレイを見ると、前の仕事の運送屋の同僚のトラックドライバーだった。いまでもたまにではあるが、飲みに行く友達だ。
開店して間もない時間だからか客は俺一人なので構わない、そのまま席で携帯電話を開いた。
「なーにやってんだよ、コメダで。フォーン鳴らしたけど、わかんないと思って電話してやったんだぞ~」
「よくわかったね、車見たの?」
「おー、そんでわかった。ちゃんとタイヤはきかえてるじゃん、えらいえらい」
「そこまで見たかっ!」
「見たよ、すげーだろ、俺」
駐車場に停めた俺のトヨタスペイドを見てわかったらしい。
彼がコメダを覗いたのは以前ここがオープンする前に「コメダができるね」と二人で話していたからだ。
車いじりが好きではない俺が、夏冬の履き替えをちゃんとやっているか反射的に見たのだ。もし冬タイヤのままなら何言われるかわかったものではない。電話の第一声は「まだ冬タイヤかよ!」だったろう。
会社では俺の方が先だったが、歳が10コ上で、ドライバーとしてのキャリアも俺より上の、もと同僚だ。
慕ってくる者には面倒見のいい、おせっかいとも言えるほど世話好きなおじさん。細かいキチっとしたこと、理屈っぽいことが好きじゃなく、逆に俺は細かいことをするのが好きで理屈が好き、自分のしたいことをするワガママ。
見ている方向が正反対なのに、なんだか合う。面と向かってはとても恥ずかしくて言えないが、俺は好きである。
たぶんお互いに「こいつ嫌だな~」と思うところはたっくさんあるはず。だが、俺は彼の人懐っこいところが他のすべてを帳消しにしてしまえるほど好きである。
俺が自己都合でその運送会社を辞めて、この8月で丸3年。
「最近、俺らも『ふる里』に全然行ってなくてな~」
お前抜きでは飲みには行ってないぜ~ということだ。俺に気遣っている。それがわかるから、ちょっと辛い。
「また連絡するよ」
「ん~、どうもありがとう、じゃ~」
電話を切った。
さて・・・ 俺はどっちを向いて進もう。
柳 秀三
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